全国不動産バイブル

「建て替え」は本当に必要なのか?

2011.11.11

梅雨の晴れ間、稲毛海岸三丁目団地では恒例の「団地祭り」が行われていた。天王山から三年余が過ぎた。建て替え話がもちあがったバブル期に一一〇〇人を数えた小中学生は、年々減り続け。いまでは五〇〇人台。焼きそばやカキ永の屋台に並ぶ子どもたちは少なくなったけれど、今年も神輿が出て、祭りは盆踊りで締めくくられた。住民は、コミュニティの絆を自然体で守ろうとしていた。建て替え決議の否決後、団地では急ピッチで修繕・管理措置が講じられた。

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「維持管理積み立て金の三割値上げ」「共用配水管の外壁への外付け更新」「階段手すりの設置」「棟によるテレビ映像出力低下を防ぐケーブル新設」「全棟の屋上防水工事」そして、一五〇〜一六〇戸が、自前で台所や風呂釜などのリニューアルを行った。数百万円単位のお金をかけて住戸を改修した家庭も少なくない。M氏は、建て替え決議をつい昨日のことのようにふり返る。「事業案を住民側に有利なように変更しましたが、結局ね、住民総会でぼくは建て替え決議に反対票を投じました。担保金、仮住居、抵当権、どれも難しすぎました。高齢者への負担が多大になる。それなのに大きなリスクを冒して、建て替える必然性があるのか。本質的な議論が必要なのです」





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