たしかに不動産屋の店頭には、さまざまな物件が値段をつけて並べられている。最近はインターネットで全国の不動産情報にアクセスできるようにもなった。だが、公開されているのは売主の希望販売価格であり、実際の取引価格(成約価格)ではない。不動産を売却する場合、売主は不動産業者に査定を依頼し、媒介契約を結ぶ。査定とは近隣の取引事例などを基に不動産業者が値付けをすることだが、最終的には販売価格は売主が決める。当然、売主は高い価格をつけたがるから、市場に提示される値段は実勢価格に比べて割高な場合がほとんどだ。
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一方、買主はできるだけ安く購入したいから、不動産業者を通して値引きを迫る。とくに最近のように地価が下落し、流通する中古物件も多くなると買主の立場は強くなり、売主の言い値で交渉が成立することは珍しい。不動産の取引事例は不動産流通機構が運営するデータベースREINSに登録され、会員不動産業者なら誰でも最新の売買情報や成約価格を閲覧できる。とくに中古マンションの登録率は高く、多くの業者が参考にしている。