全国不動産バイブル

目につく結露を退治するだけでは、かえって危険

2011.09.30

結露は、断熱性能がもっとも弱くて温度の低いところに集中的に発生します。冬、窓の内側がぐっしょり濡れ、水が流れるほど結露するのも、ガラスが直接寒い外気に接していて、冷やされているからです。しかし、窓ガラスに結露が出るからといって、そのガラスをペアガラスに代えるたりすると、たしかにガラス面には結露しなくなりますが、家の中の水蒸気の総量が同じであれば、今までガラス面に結露していた水は、今度は温度の低い床下などの目に見えない部分で結露するようになります。見方を変えれば、除湿装置の働きをしていたガラス面がなくなった分、他の部分での結露が心配になるのです。これを避けるためには、住宅の各部の断熱性能を最低でもペアガラス以上のものにしておかなければならないのです。木造住宅の場合は、木が熱を伝えにくい(グラスウールの半分程度の断熱性があるので)ので、柱の部分が熱欠損(サーマルブリッジ)になりにくく、結露を生じさせることは少ないのですが、鉄骨系住宅などは、柱や梁を構成している鉄やアルミが熱を伝えやすい(グラスウールの1000倍も熱を伝える)ので、結露を生じさせやすいのです。鉄骨の柱や梁部は断熱されていないため、室内側の壁も、柱の梁の部分の温度が低くなります。サーモグラフィーカメラや放射温度計で見ると、壁も柱や梁の部分だけが温度が低くなっているようすがよくわかります。結露は、この断熱材のはいっていない、温度の低い柱や壁面に集中的に発生します。コンクリートも断熱性がほとんどなく、たとえば厚さ五〇ミリのポリスチレンと同様の断熱性を得るためには、コンクリートは三メートルの厚さが必要になります。マンションなどに結露が多いのは、密閉度が高くて断熱性が低いコンクリートの性質によります。

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